日別アーカイブ: 2016年8月24日

はじめての一人登山

秋の虫の声が、蝉の声より、大きく響くようになり、夏ももうすぐ終わりですね。毎年、この時期はメランコリックになってしまいます。暑くて、汗をだらだら流している時は、「暑い、暑い」と言っていますが、それも幸せなことなんですよね。もうすぐ、今あるものが、なくなってしまう、という段階になって、初めて人は気づくんです。今あるものが、かけがえのないものであった、ということに。

だから、「今、ここ」を思う存分、感じて生きてくださいね。嘆くよりも、すべては変化する、変化する中の今、この時をハートと身体全部で感じて生きてください。そうすれば、あなたの人生はどの瞬間を切り取っても、美しく輝いています。

私は8月14日に、瑞牆山(みずがきやま)に登ってきました。いつものように、導きがありました。「どうしても登らなきゃ!」と感じて、登山グッズ一式購入し、行ってきました。登山は20代の頃、富士山に登って以来です。その時、とても大変だったので、もう二度と登山はしないだろう、と思っていました。

でも、あらゆる面で、若い頃、自分が想像もできなかった、私が実際、ここに存在しています。自然の中で過ごすことや、自分と共に生きることの喜び、ハートからあふれるほどの愛、私をいつも愛してサポートしてくれている目に見えない存在への感謝、それらは、若い時には感じることも、めったにないようなことでした。

私が経験した困難は、すべて今の自分を産み出すためにあったんだ、と今は心から思います。渦中にあるときは、本当に苦しかったけれど、自分で背負い通すことのできる荷物を、自分で作って背負ってきていたこともわかります。そして、それは修行のためというより、人生をもっと喜びを感じながら生きられるような、柔軟なハートに目覚めるためでありました。

瑞牆山はとても神聖な山だということです。私は地元ですから、その名を何度も子どもの頃から聞いていました。山梨県は四方を山に囲まれ、その山のすべてが美しく聖なる山のように感じます。ただ「登りたい」だけで、歩き始めましたが、想像以上の、マジ登山でした!!

14日の前日くらいまで、約一か月間くらい、全身がずっと痛くて、「ライオンのゲート」が開く (目に見えない宇宙エネルギーが降り注いでいて、身体に影響を与えている) ということを聞いていましたが、登る日が近くなっても、いっこうに痛みがひかず、行けるか不安になっていました。

前日には、その痛みが、うそのようになくなり、当日の健康状態は、絶好調でした。帰ってきてから、のどに痛みを感じ、風邪の症状が現れ始め、お盆休みの間、ほとんど寝てました。

瑞牆山に登って、思ったことは、「ホント、よく登ったよ」ということです。頂上に着いたときは、一面ガスが出ていて、ほとんど何の景色も見えなかったのですが、そこで食べたおむすびは、子どもの頃、遠足で食べたおむすびと同じように、とてもおいしかったです。一生懸命がんばった後に食べるものは、こんなにおいしかったんだ、と思い出しました。

一人の山登りは初めてでしたから、木や岩につけられている赤い目印を頼りにすすむことを、登りはじめてから知りました。道に迷いそうになったり、あと、どのくらいなんだろう、と心折れそうになった時もありました。でも、すれ違う方が「あと30分くらいだよ」と、声をかけて下さったり、大家族で登っていらっしゃる中で、小学一年生の男の子が、汗をかきながら、ひたむきに登っている姿に、励まされたりして、頂上にたどりついた時は、本当にうれしかったです。

下りも、距離がありますから、下まで降り切った頃には、足も限界でした。途中の沢の水音、鳥のさえずり、巨石の数々、生い茂る緑の木々、それらを堪能しながら、ゆっくり下りました。

次はもう少し、楽に登れる山をさがしていこう、と思います。森林浴だけでも、素晴らしいことです。山の中は、空気がおいしく、木々が発するマイナスイオンに癒されていたはずです。目に見えない部分で、多くの恵みをもらって帰ってきました。

やっぱり、「一人っていいなあ」と実感します。私がしたいことを、同じようにしたい、と思ってくれる人は、そうそう見つかるものじゃありません。特に、今回の登山のように、同じ興味を持つ人、体力が合う人という条件が、かかってくるものは、一人で行動する決心をしなければ、実現できないものです。

「あの時、行けばよかったな」、と後で思うことほど、悲しいことはありません。私は若い頃、あるワークショップで聞いた言葉をいつも思い出します。

「幸運の女神に後ろ髪は、ない」

前髪をつかむためには、いつもアンテナを高くしていて、ハートで直感の声を聞いたら、すぐに動き出せるフットワークの軽い心が必要です。言い訳を決して言わない、ことも大事ですね。そして、やってみれば、やらなかった時の何倍も、喜びを感じることができます。