『 フィールド・オブ・ドリームス』

夏になると、毎年、思い出して見る映画です。私は映画を観るのが大好きですが、この映画は今まで観た中で一番好きな映画です。

公開は1989年。私は24歳くらいでした。当時、この映画がどのくらいヒットしたかはわかりませんが、私はものすごく魂が揺さぶられて、感動したことを覚えています。担任をしていたクラスの中学生の子どもたちにも見せたのですが、反応はイマイチ。「よくわからない」と言っていました。

ある程度、大人にならないとわからない内容です。そして、あれから、そろそろ30年近くたって、今観ると、もっとよくわかります。

この映画には不思議なシンクロニシティがありました。その映画を観てから4年後くらいのこと。町の姉妹都市がアイオワ州にあって、夏休みに、何人かの子どもたちと共にアイオワ州を訪れました。

私がホームステイ先のホストファーザーに「フィールド・オブ・ドリームスの映画が大好きなんです。」というと、あの映画の撮影された場所に、連れていってくれました。車で片道3時間くらいかかったと思いますが、その道すがらに見たどこまでも続くトウモロコシ畑や、青い空、地平線に沈む太陽など、何もかもが美しい光景でした。

映画に使われた野球場で、実際にバッターボックスに立って、ボールを打って一塁まで走りました。当たるように投げてくれたんだと思いますが。

3つの言葉が出てきます。

「If you build it,  he will come.  (それを造れば、彼がやってくる)」

「Ease his pain.  ( 彼の痛みを癒せ)」

「Go the  distance. (やり遂げろ)」

この言葉に導かれ、直感に従って、行動していきます。まわりの人たちにはまったく理解できません。主人公は、もしその心の声を無視したら、一生後悔することになる、と本能的に感じ取り、心のままに決断と行動をしていきます。

最後は、あっと驚くような、何回観ても、涙がとまらない展開です。ファンタジーで実際にはあり得ない内容なのに、きっとある、と思えてしまうお話です。

初めてこの映画を見た時に、魂が揺さぶられたのは、いつか同じような体験が自分の人生にも起こる、という予言だったのかもしれません。

まったくふつうの平凡な人生を生きていたはずだった私が、心の声を聴き、本当の私の人生を生きることになる日が、いつかやってくる、というお告げだったのかもしれません。

そこにはやはり、目に見えない世界からの働きかけがあったのではないか、と思うのです。

この暑さは、人間の意識が、そして地球自身が新しいものに変容していくサインである、という人もいます。人は、平凡で変わりばえの無い生活をしている間は目覚めることも気付くこともありません。

いつもと違うことが起こった時、個人が変わる時を迎えている、とするならば、地球規模でいつもと違うことが起こっている今、それは人類すべてが変容の時を迎えている、ということなのかもしれません。

この映画は「人間とは善なるものである」ことを思い出させてくれます。そしてその善なる心に従って生きれば、すべての人が幸せになれる世界を作り上げていくことができることを教えてくれます。

機会があったら、ご覧になってください。