日別アーカイブ: 2018年6月28日

受け容れる

私は、前は、みんな幸せなんだ、と思っていました。悩み事があると、私以外の人には、悩み事がなく、苦しんでいるようには見えなくて、自分だけが、だめな人間で、情けなく思っていました。

そんなわけないですよね。幸せそうに見えるあの人にも、この人にも、その人だけが抱えている悩みや苦しみがあります。

それらを見えなくしているのは、この世界がありのままでいていい、ということを許してくれないからではないかと思うようになりました。

いつも人と比べられて、「もっとがんばれ」と追い立てられ続け、悩んだり苦しんだりするのは非効率的なことで、そんなことに時間を割いているくらいなら、「もっと努力すればいい」。できないのは私の能力が足りないことと、まだまだ努力の余地があるからだ、とまことしやかに私に襲い掛かっていました。

「光だけが素晴らしい」「勝つことにこそ意味がある」

心のどこかで、「それは違うよ」と言ってくれている私がいたのに、その声はあまりにも小さいから、聞こえないふりをして、外側の大きな声ばかり聞いて生きてきました。私もみんなのように幸せになりたかったから。その声を聞いて、その声の言うとおりに生きていったら、きっと幸せになれる、と信じ続けて。

だから、人生を覆す(くつがえす)ほどの、出来事が起きた時、信じられませんでした。私はその大きな声を聞いて、一生懸命生きてきたのに、「幸せになれるんじゃなかったの?」と。

最初に、価値観の崩壊が起きました。今まで私をずっと支え続けてくれたエゴも、もう私のことを励ますことができないくらい、絶望しました。生きてきたことにも、これから生きていくことにも、何の意味もない、全部無駄だった、私の人生は何の価値もない。目の前が真っ暗になりました。

最初は逃げたかった。怖くて怖くて、いつどこから化け物が飛び出してくるかもわからないこの真っ暗闇のトンネルをすすむことも引き返すこともできず、出られないことがわかっていても、逃げたかったし、すすむ勇気がありませんでした。

毎日、それまで見たこともない化け物と遭遇するうち、少しづつ逃げない勇気が生まれてきました。この化け物を退治できるのは自分だけです。私にはその力がある、そのことにやっと気づいて、恐れないで、化け物を直視し、立ち向かっていきました。

時には、疲れ切って、もう限界だと思うことも何度もあったし、私は一生、このトンネルから出られないのかもしれない、と泣き続けた夜もありました。

でもちゃんとすすんでいたんです。ある日、突然光がさして、出口がありました。

そのトンネルを抜けて、もうかなりたちます。ふりかえって、今、トンネルの中にいる人に、一番伝えたいことは、必ず、出口があって、進み続ける限り、あなたはその出口に向かっている、ということです。

その体験が私にもたらした一番の贈り物は、心の豊かさだと思います。今まであたりまえだと思っていたことが、すべて素晴らしいものに見えるようになりました。

生きていること、今、命があること、感動したり、喜びで胸がいっぱいになったり、心から私を生んでくれたものへの感謝をいつも感じています。

私の魂は、計画通りに絶望と希望を私に体験させました。そのコントラストが際立ったものであるほど、後に体験する喜びは大きなものとなります。

小さい絶望からは小さい希望が、大きい絶望からは大きな希望が。自分が耐えられる分量をちゃんと計算して、魂は決めてきているはずです。

だから、あなたの魂の計画を信じて、受け容れて、一緒に生きてください。

幸せは感じられるかどうかです。感じられる心を取り戻すために、苦しみも悲しみもつらいこともあるのです。

自分に起こることで意味のないことなど一つもありません。しかも、あなたを愛しているからこそ、幸せになってほしいからこそ、そしてそのことに気づいてほしいから、起きているのです。宇宙からの愛は、言葉を飾り立てたり、甘い態度であなたを誘惑したりしないので、その真実をあなたが見抜けるようになる必要があります。

そしてそれを見抜くことができるようになった時、すべては愛だった、愛しかなかった、自分自身が愛そのものであり、そのままで愛されていたことに気づきます。

あなたが、そういう喜びに出会ってくれるよう、心から祈っています。